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糖尿病を防ぐ生活習慣と糖尿病治療│第105回いきいき健康講座

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去る1月21日、東松島市コミュニティセンターにて「第105回いきいき健康講座」を開催しました。
テーマは「糖尿病を防ぐ生活習慣と糖尿病治療」。

講師は、東京医科大学内科学第三講座の主任教授で、日本糖尿病学会の指導医でもある小田原雅人先生です。
小田原先生は「糖尿病」「動脈硬化」「代謝異常」を専門領域とされており、医療現場のみならず、書籍のご執筆やメディア出演など多方面で活躍されています。

当日、会場には医療・福祉関係者を中心にたくさんの方がお越しくださいました。
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講座では、日々を健康に暮らすための生活習慣の重要性や、生活習慣の改善方法などについてお話をいただきました。
以下、お話の概要をご紹介します。


■糖尿病の原因とリスク
日本では、糖尿病患者数の増加が問題となっています。
1997年に690万人だった患者数は、2007年には890万人となり、10年間で200万人も増加しました。

糖尿病には1型と2型の2種類があり、日本の糖尿病患者のうち95%以上は2型糖尿病といわれています。
日本人の場合、2型糖尿病の主な発症原因は、「肥満」です。
また、「インスリンの分泌が低下している状態」や「インスリンが効きにくい体質」も糖尿病の原因となります。これらは肥満につながりやすいため、やはり「肥満の原因=糖尿病発症の原因」といえます。

糖尿病学会のデータによれば、糖尿病患者の寿命は男性で10年、女性で13年ほど平均より短くなるといわれています。
糖尿病になった際の大きな問題が、合併症です。細小血管症という糖尿病に特有の合併症と、動脈硬化症が起こり、糖尿病性腎症、網膜症、神経障害や、心筋梗塞、脳梗塞、不整脈による突然死など、リスクの高い症状を発症しやすくなります。
こうした危険な合併症を避けるために、糖尿病患者は血圧や血糖の管理が必要になるのです。
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■改善のポイントは「食事」「運動」「禁煙」
糖尿病の予防や治療、糖尿病に伴う生活習慣病の予防のためには、「生活習慣の改善」が欠かせません。
それでは、生活習慣改善のための具体的なポイントを見ていきましょう。

(1)食生活を見直しましょう
食生活を見直すことで、糖尿病の原因となる「肥満」や、「心筋梗塞」「脳卒中」「動脈硬化」といった生活習慣病の予防に役立ちます。

・1日3食を規則正しく
1日3食を規則正しく食べることが大切です。同じ量のカロリーを摂取する場合でも、1日に2食や1食の人は、3食の人より血糖値が上がり、太りやすくなります。そのため、食事の間隔は空けすぎないようにして、できる限り3食に分けて食べましょう。
また、早食いやまとめ食いを避けて、ゆっくりとよく噛んで食べ、腹八分目を心がけましょう。
なお、同じものを食べても、食べる順番で血糖値に変化があります。炭水化物を先に食べると食後の血糖値は上がりやすくなり、野菜を先に食べると血糖値は抑えられます。そのため、ぜひ野菜から食べていただきたいと思っています。

・バランスの良い食事をとる
食事の品目を多くすることで、さまざまな栄養素をまんべんなく摂取することができます。
近頃、極端な糖質制限食がブームになっていますが、これは栄養学的にとても問題があり、糖尿病予防の観点からもよくありません。糖質を制限してほかの栄養素を増やした結果、かえってバランスを崩してしまう方が多いからです。1日の摂取カロリーのうち、50~70%程度は糖質(炭水化物)でとるようにしましょう。

・食物繊維を摂取する
野菜やきのこ、海藻などはカロリーがほぼゼロで、食物繊維を豊富に含みます。食物繊維には油やコレステロールの吸収を抑制し、GLP-1という痩せるホルモンを分泌させる効果があります。

・肉より魚を食べる
魚の油にはEPAやDHAなどの中性脂肪を下げる成分が含まれており、心筋梗塞や動脈硬化、脳卒中などの予防にもとても効果があります。また、魚を食べることは認知症の予防にも効果があるといわれています。

(2)生活に運動を取り入れましょう
運動は糖尿病の予防や治療において非常に重要です。
運動をすると、血糖値を抑えるインスリンがよく作用するようになります。また、正しい食生活と並行して運動をすることで、肥満の改善にもつながります。筋肉が付くことで体力が増強され、転倒による骨折などのリスクが少なくなっていきます。
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・1日30分の軽い運動をする
1日30分程度の軽い運動を心がけましょう。週に5日以上行うことを推奨しています。ただし、急激な運動は身体に負担をかけてしまうため、自分の体力に見合った運動から開始することが大切です。運動能力や身体の状態は人それぞれですので、主治医の先生と相談しながら、無理のない範囲で、少しずつ運動量を増やしていきましょう。

・有酸素運動が効果的
糖尿病に対して運動全般が効果的ですが、特に有酸素運動(息をしながら行う運動)はインスリンの効きを良くしてくれます。有酸素運動とレジスタンス運動(筋肉に抵抗をかける運動)の両方を行うとより効果的です。

・運動は小分けにして行う
「運動はまとめて行わないと効果が無い」といわれてきましたが、むしろ運動を小分けにしたほうが、血糖の数値が良いというテスト結果が出ています。通勤や外出の際は少し歩いてみるなど、日常の中で自然にできる運動を取り入れていきましょう。

(3)禁煙・減酒に取り組みましょう
喫煙は百害あって一利なし。飲酒は適量ならよいですが、度が過ぎれば健康へのリスクが高くなります。

・禁煙する
タバコは血管に負担をかけ、糖尿病患者にさらなる合併症を引き起こす危険因子です。喫煙する患者が、糖尿病の合併症により足を切断せざるをえなくなるケースが多々あります。非喫煙者と比べて、喫煙者が心筋梗塞になる可能性は2~4倍、脳卒中は4倍、大動脈瘤は6倍、突然死は場合によって10倍にもなります。
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・飲酒は適量で
飲酒が少量の場合には禁酒を進めておらず、1日にビール中瓶1本程度であれば、制限はしていません。ただし、アルコールはだんだんと摂取量が増えていく傾向にあるので、注意が必要です。飲酒量が増えると、脳卒中を引き起こす可能性が高くなります。飲酒をされる方は、適量の維持を心がけてください。

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生活習慣の改善は、糖尿病、生活習慣病の予防のためだけではなく、日々を健康に過ごすためにとても大切なことです。

みなさんも、今回の講座で挙げられたポイントを参考に、ご自身の生活習慣を振り返ってみてくださいね。
by itokukai | 2014-03-17 15:56 | いきいき健康講座
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