今からでも遅くない、糖尿病予防
第88回 平成22年4月13日開催
東北大学病院 糖尿病代謝科講師 石垣泰 先生
糖尿病は生活習慣病(あるいは成人病)の代表的な疾患で、2006年の統計では現在糖尿病の患者数は830万人を数え、その予備軍1,490万人を合わせると2,320万人に達している。これは国民6人に1人で、増加の一途を辿っている。

糖尿病とは: 血糖値は膵臓から分泌されるインスリンというホルモンによってコントロールさ
れている。三大栄養素の一つである糖質(炭水化物)は、消化されてブドウ糖となって体を
動かすエネルギー源となるが、インスリンが足りなかったり、うまく細胞に作用しない状態
になると、ブドウ糖は必要としている細胞の中に運ばれなくなって、血液中にあふれて血
糖値が高くなる。これが糖尿病で、栄養が体に行き渡らないので、だるさを感じたり、やせ
衰える。

なぜ糖尿病の治療が必要か: 糖尿病は動脈硬化の要因となり、重大な合併症をもたらす。
①網膜症による失明は年間3,000人以上、②腎症による血液透析患者は年間13,600人発生
し、③足の壊疽による下肢切断は年間3,000人発生、④神経障害で手足のしびれや麻痺も
重大な合併症である。⑤その他脳梗塞、心筋梗塞、感染症にかかりやすいなど。糖尿病の
治療の目的は合併症の予防である。
糖尿病の予防: 肥満、運動不足、ストレスなどの環境要因は糖尿病の主な成因の一つであ
る。適切な食事の摂取と運動を心掛ける事が大切である。
・1日3食を規則正しく、腹七分目に。朝食を抜かない、まとめ食いをしない。
・食品の種類を多くし、1日30種類以上に。あぶら分は控え目に。
・適切なエネルギー=標準体重(1)×身体活動量(2)
(1)標準体重(kg)=[身長(m)]×[身長(m)]×22
(2)身体活動量のめやす ・軽労作(デスクワークが主な人、主婦など):25~30kcal
・普通の労作(立ち仕事が多い職業):30~35kcal
・重い労作(力仕事の多い職業):35 ~kcal
例:身長160cmの軽労働者 標準体重=1.6m×1.6m×22=56.3kg
適切なエネルギー=56.3kg×25~30=1407~1689kcal
・体を動かすように努める。速歩き。1日1万歩。
今からでも遅くないので、糖尿病予防に努めましょう。
平成22年6月発行 コンチェルト第132号 より
東北大学病院 糖尿病代謝科講師 石垣泰 先生
糖尿病は生活習慣病(あるいは成人病)の代表的な疾患で、2006年の統計では現在糖尿病の患者数は830万人を数え、その予備軍1,490万人を合わせると2,320万人に達している。これは国民6人に1人で、増加の一途を辿っている。

糖尿病とは: 血糖値は膵臓から分泌されるインスリンというホルモンによってコントロールさ
れている。三大栄養素の一つである糖質(炭水化物)は、消化されてブドウ糖となって体を
動かすエネルギー源となるが、インスリンが足りなかったり、うまく細胞に作用しない状態
になると、ブドウ糖は必要としている細胞の中に運ばれなくなって、血液中にあふれて血
糖値が高くなる。これが糖尿病で、栄養が体に行き渡らないので、だるさを感じたり、やせ
衰える。

なぜ糖尿病の治療が必要か: 糖尿病は動脈硬化の要因となり、重大な合併症をもたらす。
①網膜症による失明は年間3,000人以上、②腎症による血液透析患者は年間13,600人発生
し、③足の壊疽による下肢切断は年間3,000人発生、④神経障害で手足のしびれや麻痺も
重大な合併症である。⑤その他脳梗塞、心筋梗塞、感染症にかかりやすいなど。糖尿病の
治療の目的は合併症の予防である。

る。適切な食事の摂取と運動を心掛ける事が大切である。
・1日3食を規則正しく、腹七分目に。朝食を抜かない、まとめ食いをしない。
・食品の種類を多くし、1日30種類以上に。あぶら分は控え目に。
・適切なエネルギー=標準体重(1)×身体活動量(2)
(1)標準体重(kg)=[身長(m)]×[身長(m)]×22
(2)身体活動量のめやす ・軽労作(デスクワークが主な人、主婦など):25~30kcal
・普通の労作(立ち仕事が多い職業):30~35kcal
・重い労作(力仕事の多い職業):35 ~kcal
例:身長160cmの軽労働者 標準体重=1.6m×1.6m×22=56.3kg
適切なエネルギー=56.3kg×25~30=1407~1689kcal
・体を動かすように努める。速歩き。1日1万歩。
今からでも遅くないので、糖尿病予防に努めましょう。
平成22年6月発行 コンチェルト第132号 より
by itokukai
| 2010-09-30 15:32
| いきいき健康講座