こどものインフルエンザ
これから寒い季節に向け、こどものインフルエンザについて、ぜひ知っておいていただきたい知識をまとめました。
1)インフルエンザの予防接種は効くの?
インフルエンザの予防接種(ワクチン)は、流行が始まる前に2回接種します(大人は1回でもOK)。成人では約70%の方に効果があるとされています。しかし、こどもでは有効率が低く、ワクチンを接種していてもしばしばインフルエンザにかかります。とくに1歳以上6歳未満の乳幼児では有効率20~30%という日本小児科学会からの報告もあります。ただ、インフルエンザはときに重症となり、治療薬のタミフルもこどもには使用しにくいという現状があります。保育園や学校など集団生活をする機会があるこどもは、予防接種を受けておいたほうがよいでしょう。
2)インフルエンザにかかった時に注意することは?
からだの免疫力を高めるためにゆっくり休養をとること、そして水分を十分に摂取することが大切です。また、症状が出てから2日間くらいは異常行動が見られる場合があるので、こどもをひとりにしておかず、保護者の方が言動や行動等に注意してあげてください。
3)診断はどうするの?
普通の風邪とは違う強い症状が出ます。急に高い熱がでて、頭痛やのどの痛み、全身の筋肉痛、体のだるさ、ときには嘔吐や下痢も伴います。しかし、症状があまり典型的ではなく普通の風邪と区別しにくい場合もあります。病院では、15分ほどですぐ結果が判るインフルエンザ迅速診断検査で診断することができます。
4)タミフルを飲んでも大丈夫?
インフルエンザに良く効く薬として、タミフル(内服薬)やリレンザ(吸入薬)があります。一時期、こどもがタミフルを飲むと異常行動がおきやすいと騒がれましたが、その真偽は不明です。現在のところ、1 才未満では慎重に服用、1~9歳では使用可能、10~19歳では原則使用中止という考え方が主流です。ただ、こどもによって身体の状態が異なりますので、医師とよく相談の上、必要があればあまり恐れずに薬を服用したほうがよいでしょう。
5)熱が高いときには熱さましを使っても大丈夫?
こどもがインフルエンザのときに服用しても大丈夫とされている「熱さまし(解熱剤)」は、アセトアミノフェンという成分の薬だけです(坐薬・飲み薬など)。小児科で処方されるのはまず間違いなくこの薬です。これ以外の解熱剤(特に大人向けのもの)は、こどもでは脳症などの合併症が起きやすいので、絶対に使用しないで下さい!
そのほか、ご心配な点があれば、小児科外来でおたずねください。
平成20年9月発行 第111号より
小児科医師 松原洋一
1)インフルエンザの予防接種は効くの?
インフルエンザの予防接種(ワクチン)は、流行が始まる前に2回接種します(大人は1回でもOK)。成人では約70%の方に効果があるとされています。しかし、こどもでは有効率が低く、ワクチンを接種していてもしばしばインフルエンザにかかります。とくに1歳以上6歳未満の乳幼児では有効率20~30%という日本小児科学会からの報告もあります。ただ、インフルエンザはときに重症となり、治療薬のタミフルもこどもには使用しにくいという現状があります。保育園や学校など集団生活をする機会があるこどもは、予防接種を受けておいたほうがよいでしょう。
2)インフルエンザにかかった時に注意することは?
からだの免疫力を高めるためにゆっくり休養をとること、そして水分を十分に摂取することが大切です。また、症状が出てから2日間くらいは異常行動が見られる場合があるので、こどもをひとりにしておかず、保護者の方が言動や行動等に注意してあげてください。
3)診断はどうするの?
普通の風邪とは違う強い症状が出ます。急に高い熱がでて、頭痛やのどの痛み、全身の筋肉痛、体のだるさ、ときには嘔吐や下痢も伴います。しかし、症状があまり典型的ではなく普通の風邪と区別しにくい場合もあります。病院では、15分ほどですぐ結果が判るインフルエンザ迅速診断検査で診断することができます。
4)タミフルを飲んでも大丈夫?
インフルエンザに良く効く薬として、タミフル(内服薬)やリレンザ(吸入薬)があります。一時期、こどもがタミフルを飲むと異常行動がおきやすいと騒がれましたが、その真偽は不明です。現在のところ、1 才未満では慎重に服用、1~9歳では使用可能、10~19歳では原則使用中止という考え方が主流です。ただ、こどもによって身体の状態が異なりますので、医師とよく相談の上、必要があればあまり恐れずに薬を服用したほうがよいでしょう。
5)熱が高いときには熱さましを使っても大丈夫?
こどもがインフルエンザのときに服用しても大丈夫とされている「熱さまし(解熱剤)」は、アセトアミノフェンという成分の薬だけです(坐薬・飲み薬など)。小児科で処方されるのはまず間違いなくこの薬です。これ以外の解熱剤(特に大人向けのもの)は、こどもでは脳症などの合併症が起きやすいので、絶対に使用しないで下さい!
そのほか、ご心配な点があれば、小児科外来でおたずねください。
平成20年9月発行 第111号より
小児科医師 松原洋一
by itokukai
| 2010-09-29 14:31
| 健康メモ