はしか(麻疹)について
はしか(麻疹)は、麻疹ウィルスの飛沫感染・空気感染により、鼻やのどの粘膜にウイルスが付着、浸入し増殖を始めることにより起こります。4月から6月にかけて流行する小児に多い疾患ですが、最近、首都圏から全国に成人のはしかの感染拡大が見られます。
その原因として、十代から二十代の人たちのワクチン接種率が低かったこと、近年はしかの流行が減少したため、ワクチンを接種した人でも、その後再感染がなく、抗体が失われた事等が考えられています。ワクチン未接種の人の接種や接種済の人でも流行地域では2回目の接種が推奨されています。
症状:潜伏期は10~12日。伝染期間は発疹4日前から出現5日後で、強い感染力を持っています。症状はカタル期、発疹期、回復期に分けられます。
カタル期:10~12日の潜伏期後に38~39℃台の発熱、咳(乾いた咳が特徴)、鼻汁、くしゃみ、結膜充血、眼脂を認めます。発熱3~4日目に頬の内側の粘膜にコプリック斑と呼ばれる赤みを伴った白い小斑点が出現するのが特徴として挙げられます。
発疹期:発症後3~4日に一旦解熱し再び高熱が出現し持続します。カタル期の症状が更に強くなり、発疹が耳の後ろから始まり、顔や首に広がり体や手足の順番で出現します。
回復期:熱は下降し、発疹は出現したのと同じ順序で消えていきます。発疹の跡には銅褐色の色素沈着が残りますが、やがてこれも消えます。
治療:麻疹ウイルスに対する特異的治療法はなく、対症療法が中心になります。熱がある間は安静臥床し、解熱後少なくとも3日間は安静にします。適度の室温と湿度を保つようにし、口の中や皮膚を清潔にし、十分な水分と栄養補給してください。
予防:ワクチンがあります。予防接種を受けておくのが最も効果的です。
麻疹にかかった人は、学校や職場を休んで外出を控えてください。学校保健法での基準は「発疹に伴う発熱が解熱した後3日間を経過するまで出席停止。」となっています。また保健管理センターへ電話連絡をお願いします。

平成19年6月発行 第96号より
血液・免疫科部長 佐藤功
その原因として、十代から二十代の人たちのワクチン接種率が低かったこと、近年はしかの流行が減少したため、ワクチンを接種した人でも、その後再感染がなく、抗体が失われた事等が考えられています。ワクチン未接種の人の接種や接種済の人でも流行地域では2回目の接種が推奨されています。
症状:潜伏期は10~12日。伝染期間は発疹4日前から出現5日後で、強い感染力を持っています。症状はカタル期、発疹期、回復期に分けられます。
カタル期:10~12日の潜伏期後に38~39℃台の発熱、咳(乾いた咳が特徴)、鼻汁、くしゃみ、結膜充血、眼脂を認めます。発熱3~4日目に頬の内側の粘膜にコプリック斑と呼ばれる赤みを伴った白い小斑点が出現するのが特徴として挙げられます。
発疹期:発症後3~4日に一旦解熱し再び高熱が出現し持続します。カタル期の症状が更に強くなり、発疹が耳の後ろから始まり、顔や首に広がり体や手足の順番で出現します。
回復期:熱は下降し、発疹は出現したのと同じ順序で消えていきます。発疹の跡には銅褐色の色素沈着が残りますが、やがてこれも消えます。
治療:麻疹ウイルスに対する特異的治療法はなく、対症療法が中心になります。熱がある間は安静臥床し、解熱後少なくとも3日間は安静にします。適度の室温と湿度を保つようにし、口の中や皮膚を清潔にし、十分な水分と栄養補給してください。
予防:ワクチンがあります。予防接種を受けておくのが最も効果的です。
麻疹にかかった人は、学校や職場を休んで外出を控えてください。学校保健法での基準は「発疹に伴う発熱が解熱した後3日間を経過するまで出席停止。」となっています。また保健管理センターへ電話連絡をお願いします。

平成19年6月発行 第96号より
血液・免疫科部長 佐藤功
by itokukai
| 2010-08-15 00:00
| 健康メモ